トラヴィス・ウォルトン事件の真偽 [トラヴィス・ウォルトン事件]
先ごろ「世界の何だコレ!?ミステリー」でも取り上げていたが、1975年にアメリカ・アリゾナ州の森林で起こったというUFOアブダクション事件。新事実という年輪の謎について考えてみた。
年輪の写真は…?
番組でも年輪の謎について指摘していたが、現地でUFO研究家の男性が見せた木の切り株、年輪の幅が広くなった方角にUFOが着陸したというのだが、どうも画面上では年輪の示す方角とUFOの着陸地点は90度ぐらいずれているように感じてしまう。
それで何だか気になっていたのだが、専門家によると、年輪の幅というのは日光の当たり具合や地面の傾斜によっても偏りが生じるそうで、あの切り株ぐらいの偏りはいくらでもあるらしい(例えばhttps://www.pref.nagano.lg.jp/ringyosogo/joho/kids/nenrin.html)。
それにこれも番組で見せていたが、1975年から急激に幅が広がったという年輪の写真、同じものがネット上にもあるが(http://news21c.blog.fc2.com/blog-entry-6911.html?sp)、確かに「1975-1976」という数字のついた矢印の指し示すあたりから、年輪の幅が何倍も分厚くなっている。
トラヴィス・ウォルトン本人もユーチューブのいろいろな動画で現地の切り株を示して説明しているが、どうも見ていると、写真の年輪と現地の切り株の映像とでは年輪の幅に極端な違いがあるように思う。現地の切り株はそれこそ「一見すると何の変哲もない」年輪だが、写真は異常成長した植物の標本のようで、まるで違って見える。はたしてこの写真、「本物なのか」。別の木の年輪を張り合わせたものではないのか。
同じくらい年輪の幅が急激な広くなったものをネット上で探すと、例えばこんなものがある(http://sado-kankyou.jugem.jp/?cid=6)。森林伐採業者だったウォルトンならこうした年輪の性質や形状にも詳しいのではないかという気もする。
あの着陸現場とされる一帯の木々が一様にこのような異常成長を示しているならまだしも、写真の木と映像の木では年輪が違いすぎる。また地面は緩やかな傾斜地で、木々も等間隔ではなく、むしろ散乱して立っているように見える。それなら年輪に偏りが生じるのはそれほど不思議なことではない。
放射能とはそんなに便利なものか
また、放射能が生物の成長に影響することはあっても、その多くは遺伝子の損傷からくる奇形や異常繁殖で、一律に「年輪の幅が何倍にもなった」などということはありうるのか。
放射線による成長促進という考え(放射線ホルミシス)もあるが、放射線ホルミシスはまだ仮説の段階とされる。カイワレ大根に低線量のX線を照射したら成長が早くなった、というような実験結果はあるが、伐採用の森林でも同じことが起こりうるのか。その放射線がUFOから来たものだとしたら、放射線の種類や線量はどの程度だったのかまで検証する必要があるだろう。
何だか「放射能を浴びたら巨大化した」という発想で、まるでゴジラみたいな話ですよね。第一、木が巨大化したならなぜトラヴィスや付近にいた仲間たちが巨大化しなかったのか。
「人と木は違う」ということだろうが、もしそうなら、「木では説明不能な放射線効果が表れたが、人間では表れなかった」ことをどうやって説明するのかとも思う。少なくとも何らかの放射線障害がトラヴィスたちにも起こるはずだろう。
人型エイリアンとのコンタクト?
トラヴィス・ウォルトンの語った話の中で年輪以上に不可解なのは「UFOの中でグレイ型のエイリアンと白人風の男女のエイリアンに出会った」というくだり。
グレイ型は逆にありうるかもしれないが、地球人とよく似た(それもノルディックの)宇宙人がほかの惑星にいるのか。確率論的に言えば、他の惑星に地球人そっくりのエイリアンが生息している可能性は限りなくゼロに近いのではないかと思う。
人間とチンパンジーのDNA上の差異はたった2パーセントにすぎないが、それでも互いの形態は一目瞭然で異なっている。同じ惑星で同じ霊長類として進化した種同士でもこんなに違う。
ほかの惑星ならこれも確率論的に見て地球とは何らかの差異があるはずだ。その異なる環境で独自の進化を遂げた高等生物のDNA(宇宙人にもDNAがあるとすればだけど…)が、人間とチンパンジーよりも近接するなどということは、ほとんど起こらないのではないだろうか。
だからこの事件に限らず、「地球人そっくりの宇宙人に出会った」という話自体、とても眉唾な話だと思う。ウォルトンはUFOを見て何らかの衝撃で気絶していたのかもしれないが、UFOの中に入って云々というのは夢の中の出来事か、彼の作り話だろう。
年輪の写真は…?
番組でも年輪の謎について指摘していたが、現地でUFO研究家の男性が見せた木の切り株、年輪の幅が広くなった方角にUFOが着陸したというのだが、どうも画面上では年輪の示す方角とUFOの着陸地点は90度ぐらいずれているように感じてしまう。
それで何だか気になっていたのだが、専門家によると、年輪の幅というのは日光の当たり具合や地面の傾斜によっても偏りが生じるそうで、あの切り株ぐらいの偏りはいくらでもあるらしい(例えばhttps://www.pref.nagano.lg.jp/ringyosogo/joho/kids/nenrin.html)。
それにこれも番組で見せていたが、1975年から急激に幅が広がったという年輪の写真、同じものがネット上にもあるが(http://news21c.blog.fc2.com/blog-entry-6911.html?sp)、確かに「1975-1976」という数字のついた矢印の指し示すあたりから、年輪の幅が何倍も分厚くなっている。
トラヴィス・ウォルトン本人もユーチューブのいろいろな動画で現地の切り株を示して説明しているが、どうも見ていると、写真の年輪と現地の切り株の映像とでは年輪の幅に極端な違いがあるように思う。現地の切り株はそれこそ「一見すると何の変哲もない」年輪だが、写真は異常成長した植物の標本のようで、まるで違って見える。はたしてこの写真、「本物なのか」。別の木の年輪を張り合わせたものではないのか。
同じくらい年輪の幅が急激な広くなったものをネット上で探すと、例えばこんなものがある(http://sado-kankyou.jugem.jp/?cid=6)。森林伐採業者だったウォルトンならこうした年輪の性質や形状にも詳しいのではないかという気もする。
あの着陸現場とされる一帯の木々が一様にこのような異常成長を示しているならまだしも、写真の木と映像の木では年輪が違いすぎる。また地面は緩やかな傾斜地で、木々も等間隔ではなく、むしろ散乱して立っているように見える。それなら年輪に偏りが生じるのはそれほど不思議なことではない。
放射能とはそんなに便利なものか
また、放射能が生物の成長に影響することはあっても、その多くは遺伝子の損傷からくる奇形や異常繁殖で、一律に「年輪の幅が何倍にもなった」などということはありうるのか。
放射線による成長促進という考え(放射線ホルミシス)もあるが、放射線ホルミシスはまだ仮説の段階とされる。カイワレ大根に低線量のX線を照射したら成長が早くなった、というような実験結果はあるが、伐採用の森林でも同じことが起こりうるのか。その放射線がUFOから来たものだとしたら、放射線の種類や線量はどの程度だったのかまで検証する必要があるだろう。
何だか「放射能を浴びたら巨大化した」という発想で、まるでゴジラみたいな話ですよね。第一、木が巨大化したならなぜトラヴィスや付近にいた仲間たちが巨大化しなかったのか。
「人と木は違う」ということだろうが、もしそうなら、「木では説明不能な放射線効果が表れたが、人間では表れなかった」ことをどうやって説明するのかとも思う。少なくとも何らかの放射線障害がトラヴィスたちにも起こるはずだろう。
人型エイリアンとのコンタクト?
トラヴィス・ウォルトンの語った話の中で年輪以上に不可解なのは「UFOの中でグレイ型のエイリアンと白人風の男女のエイリアンに出会った」というくだり。
グレイ型は逆にありうるかもしれないが、地球人とよく似た(それもノルディックの)宇宙人がほかの惑星にいるのか。確率論的に言えば、他の惑星に地球人そっくりのエイリアンが生息している可能性は限りなくゼロに近いのではないかと思う。
人間とチンパンジーのDNA上の差異はたった2パーセントにすぎないが、それでも互いの形態は一目瞭然で異なっている。同じ惑星で同じ霊長類として進化した種同士でもこんなに違う。
ほかの惑星ならこれも確率論的に見て地球とは何らかの差異があるはずだ。その異なる環境で独自の進化を遂げた高等生物のDNA(宇宙人にもDNAがあるとすればだけど…)が、人間とチンパンジーよりも近接するなどということは、ほとんど起こらないのではないだろうか。
だからこの事件に限らず、「地球人そっくりの宇宙人に出会った」という話自体、とても眉唾な話だと思う。ウォルトンはUFOを見て何らかの衝撃で気絶していたのかもしれないが、UFOの中に入って云々というのは夢の中の出来事か、彼の作り話だろう。
2018-08-16 21:48
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